ハメドゥスト    テヘラン通信   第45号 







エイデ・ノールズ。(A Happy New Year!)

 イランにいると新年のあいさつを2度しなければなりません。それは、イランの新年は「春分の日」に始まるからです。昨年もイランの新年「ノールズ」について書きましたが(22号)、今年もそれと年末の行事についてお知らせしようと思います。 テヘラン日本人学校では、3月15日に卒業式、終了式、離任式が終わり全ての学校行事が終わりました。
イランの年末は日本と同じように、人々は新年の準備で忙しそうにしていました。家の掃除やカーペット洗い、洗車など日本と同じような光景が見られました。また、年末の伝統的な行事も見学できました。

◆ チャハールシャンベ・スーリー
 チャハールシャンベ・スーリーは、新年の前の最後の水曜日の夜に行われることになっています。(チャハールシャンベとは「水曜日」の意味)しかし、実際は毎年、火曜日の夜に行われています。人々は、通 りで大きなかがり火をたき、その上をぶつぶつとなにかつぶやきながら飛び越えていました。火に向かって、「私から黄色を取り、あなたの赤を私にくれ」と言っていたそうです。黄色は悪いもの、赤は良いもののたとえです。これはゾロアスター教の名残の行事です。昨年の4年生の消防署調べによると、その日が最も火事が多いということでした。
 その他に、新年の前日、日本の大晦日にあたる日に、顔を黒く塗り真っ赤な服を着た3人の男の人達が、笛とタンバリンで演奏しながら、通りを歩いているのを見ました。彼らは「ハッヂ・フィールーズ」と呼ばれる人達で、冬が去って春がきたことを人々に知らせているそうです

◆ 新年は17時24分にスタート
 今年のイランの新年『1376年』は1997年3月20日、17時24分にスターとしました。イランでは、太陽が横道を横切る春分の瞬間を新年の始まりするのです。毎年、約6時間ほど時間がづれていきます。(但し、カレンダー上では21日から新年となっている。) 
 新年の瞬間、テレビでは爆竹が鳴る音と共に1376のファルシーの数字と花がしばらく放送され、その後、女の子が墓参りに行く場面が見られました。イランの人達は、新年の前後にお墓参りをするようです。
 ノールズには、新しい服を着て、家族でお祈りを行い、食事をします。たいてい、食事はカスピ海の魚とご飯だそうです。そして、家族の最年長者から「エイデ」と呼ばれる、お年玉をもらいます。 ハフトスィーンと呼ばれる、ファルシーのSの音で始まる7つのものも飾られます。それらは、酢、りんご、ニンニク、野生のオリーブ、スパイスの一種、茶色のペースト状のものと小麦の芽の出たものです。それらの他に、コーランや金魚、色を塗った卵、鏡、水、時計、花なども一緒にテーブルに置かれます。 (22号写真参照)

次回は、キッシュ島の旅行についてです。