ハメドゥスト テヘラン通信 第22号
サラーム。ハレショマフーベ。ノールズ、モバラケ。(=Happy
New Year )
「お正月おめでとう」とは、おかしいと思う人がいると思うでしょうが、実はここでは日本の春分の日にあたる日が日本の元旦に当たる日なのです。今回は、そのイランのお正月について話を進めていきたいと思います。
前号から少し日が開いてしまったのですが、革命記念日、総選挙などがあったのでそれらのことについても、後日触れたいと思っています。
◆ イランのお正月
ペルシャ語で、「ノー」は「新しい」、ルーズが「日」という意味、つまり、「ノールーズ」とは「新しい日」という意味で日本の元旦のような日なのです。以前にも説明しましたが、イランでは3つの暦(イラン暦、イスラム暦、西暦)が使われており、その中のイラン暦(イスラム教の予言者ムハンマドがメッカからメディナへ遷った時を元年とする太陽暦)の最初の日が、ノールーズとなっています。
ノールーズの始まる時間は、地球が太陽を回転する時間を秒単位まで厳密に計算して出されます。おもしろいことに毎年その時間が違うので、朝であったり真夜中であったりするそうです。
お正月には、日本と同じように新年の飾りもの(ハフトスィーン)やお年玉(エイディー)、年始のあいさつなどがあります。
ノールズの朝には家族全員が、新しい洋服をもらい、子供達はお年玉をもらって喜ぶそうです。そして、親戚の中で一番年上の人の家から年始のあいさつに出かけ、どこででも紅茶や日本のおせち料理のようなもの(お菓子、ナッツ、果物が中心)を出され、それらを囲んで話を楽しむそうです。
ノールーズのハフトスィーン(酢やりんご、にんにく、コイン、金魚、時計、サブゼ)の中のサブゼ(ノールーズ2週間前くらいから育てられた緑の草)はノールーズ13日目まで飾られ、13日目に水の流れに投げ捨てられます。サブゼが家の中の悪い運を全部吸い込むからだ
そうです。
新年の13日目は、国をあげてのピクニックデイとなっています。13は縁起の悪い数字で家の中にいるとろくなことは起きないとされ、その悪い運を外に持っていき払ってくるという考えのようです。公園には人があふれ、日本の花見の時と同じようでした。チャイを飲み、お菓子をつまみバドミントンやサッカー、バレーを楽しんでいる人がたくさんいました。
この13日目が終わると、官公庁も本格的に仕事を始め、ノールーズから休みになっていた学校も3学期が始まります。そこで、年末から続いていた長い行事が終わります。