ハメドゥスト テヘラン通信 第44号
サラーム。ハレショマフーベ。
テヘランは例年、2月だと厳しい寒さが続いているのですが、今年は、最高気温が12度前後となり日中は春を思い出させる陽気となっています。
日本人学校では、最後の学校行事となる卒業式に向けての取り組みが始まろうとしています。
今回は、バンダル・アバッス旅行についてです。
◆常夏のバンダル・アッバス
2月の4週5休の休みを利用して、イラン南部、ペルシャ湾沿いにあるバンダル・アッバスに行って来ました。そこは、以前から行きたいと思っていた所の1つで、年間を通して高温多湿の気候なので、冬に行きたいと思っていました。到着日のバンダル・アッバスの気温は25度で、飛行機から降りた途端に暖かい空気をむっと感じ、数分後には額に汗がにじみ、脇から出た汗が体を伝うほどでした。日本の梅雨の時期を思い出しました。夏には40度を超える日が続くそうです。
バンダル・アッバス行きの目的は、イランのフリーポート(関税免除港)となっているゲシム島とその近くにあるホルムズ島の見学と魚市場での新鮮な魚の購入、そして、その地域にすんでいる女の人達の特異な服装を見たかったからです。
まず、ゲシム島についてですが、そこはいくつかある関税免除地帯の1つで、他の地域と違い外国製の車、電気製品、生活用品があふれ、イラン本土からそれらのものを求めてやってくる人たちや商売人でごった返していました。島を出るときには、全員手荷物チェックがされ、購入した物には税金が掛けられます。テレビや冷蔵庫を1人で持っている人達などがいて、奇妙に思いました。運び屋と言われる人たちで本土の町でそれらを売るそうです。その隣にあるホルムズ島は16世紀頃、ポルトガルによって占領されていた、ペルシャ湾入り口の要塞となっていた島です。しかし、今では潰れた要塞跡が残るだけの自然いっぱいの島となっています。島の人々はゆったりと流れる時間の中で、素朴な生活を楽しんでいるようでした。両方の島への交通手段はモーターボートで、迫力満点でした。堤防でボートの運転手と交渉するのはテヘラン市内でタクシーと交渉するのと同じでした。
魚市場では、ペルシャ湾特有の魚や日本で見られるタイやカレイ、ヒラメ、あじがあり、そこで捕れた1m以上のマグロも売られていました。新鮮な魚を買って、刺身を食べようと思っていたのですが、あまりの市場の臭さに、買う気をなくしてしまいました。
その地域の女の人達は、透けたカラフルなチャドルをまとい、その下にも派手な服を着ていました。また、「ボルク」と呼ばれる黒や赤色のマスクをしている人達もいました。ヘジャブの意味と日除けのため、ファッションを楽しむなどの目的があるそうです。ズボンの裾のカラフルな刺繍が印象的でした。