ハメドゥスト    テヘラン通信   第43号 






サラーム。ハレショマチェトレ。
 イランでは1月31日から2月10日までイラン革命記念週間で、2月10日がラマザン開け祭り、11日が革命記念となり両日とも異様な盛り上がりがありました。全国でアメリカ、イスラエル打倒の行進とホメイニ万歳のマーチが行われ、男だけと女だけの行進や革命の様子がテレビで何度も放映されていました。テヘランの町中はカラー電球や花などで彩られ、いつもの殺風景な風景とは違い、それだけはいい気持ちがしました。  
 テヘラン日本人学校では、恒例の学芸発表会の準備が進められ、昨日無事終了しました。今年は、児童・生徒による脚本が多く、手作りの劇が多かったことが特徴でした。中学生は小学6年生と合同で「ロスタム伝」を行いました。これは世界的に有名なイランの作家フェルドーシによって書かれた「王書(シャーナメ)」に登場する英雄ロスタムの話を簡単に紹介したものでした。3人で30分の劇を行ったのですが、セリフや動きを間違えることなく演じる彼らに感心させられました。全員が多くの発表をできるのが小規模校の良さの1つです。
 さて、今回はテヘラン近郊のスキー場とそこでの体験談を紹介します。

 
◆テヘラン近郊スキー事情
 「イランでスキー?」と驚いた人もいると思いますが、先生もイランに来るまでは信じられませんでした。また、夏の40度の暑さを経験すれば、なおさらです。しかし、冬には、夏の暑さが嘘のように厳しい寒さがやって来て、雪が降り、積もります。
学校では、テヘランから1時間半ほど離れたアバリーというところでスキー学習を毎年1月に行っています。4本のリフトがあり、初級者にはぴったりの場所です。2時間ほど離れたディジンには国際大会も開かれるスキー場があり、ゴンドラも備え付けられています。雪質も、ゲレンデの状態も良くその環境には文句の付け所がありません。ホテルやペンションもあり宿泊や食事もでき、非常に便利です。以前はイスラムの教えに従ってゲレンデが男女別に別れていたそうですが、今は男女一緒に滑られるようになっています。しかし、ゴンドラは男女別で並び、乗ることになっています。
 スキーをすることは楽しいのですが、この時もイスラムやイランの人達の悪しき習慣に付き合わなければなりません。例えば、順番を平気で抜かしたり割り込んだり、遠慮のない追突などにです。先日などはディジンに行った際、駐車場までの車が2台やっと通れる細い道に、両サイドにずっと車を並べ、1台がやっと通れるぐらいの駐車が2kmほどされていました。対向車と交渉しながら進み、約40分間かけてそこから抜け出しました。中には、車の間で食事を作っている家族もいました!

                イラン北東部地震、80人以上死亡
 2月4日、午後1時と2時頃、イラン北東部のホラーサン地方で震度5と6の地震が起こりました。新聞報道と知り合いのAP通信の記者によると3000世帯の家が壊れ、80人以上の死者、数百人の負傷者が出たそうです。日本ではNHKによりこのニュースが報道され、先生達は日本からの電話でこの地震のことを知らされました。イランでは時々地震のニュースがあるのですが、これほどの被害があったのは過去2年間で初めてのことです。テレビや新聞では、このことを大きく取り上げることがなく2月15日現在上記のことしか分かっていません。これは革命週間に起こったことで革命やその式典に影響を与えないため、国にコントロールされたと考えられます。知り合いの報道関係の方々も首を傾げているくらいです。 震源地近くの地域は土を乾かせて作った家が多く、このことが被害を大きくさせたようです。地割れや崖崩れ、川の氾濫などもありました。  
 イランでは、1991年に4万人の人が亡くなる震度7の地震が起こったことがありました。そして、そろそろ大地震がテヘランで起こると噂されていた矢先のことでした。