ハメドゥスト テヘラン通信 第42号
サラーム。
日本人学校では、ようやくスキーに行くことができ、5日間のスキー学習を1人のけが人も出さず、また、全員がスキーを滑れるようになり、無事終了しました。皆、雪焼けし、顔が真っ黒。ゴーグルを付けていた所は真っ白なので、そのコントラストで、おもしろい顔の子(?)がいっぱいの学校になっています。その後テヘランはやっと冬らしくなり、寒い日が数日続いています。
先日、イランに滞在することになった人は必ず読んでいると言われる本を読み少しイランに恐怖感を持ちました。日本名で「マートブ」というタイトルの本でアメリカ人女性とイラン人男性との国際結婚の破綻を著した内容となっています。イランの習慣や文化、先生の知っている地名がたくさん登場し、親しみが持てた反面、一方的にイランをののしる部分に反感を持ちました。同時に、男性優位のイランの結婚制度にも疑問を持ちました。(毎日新聞1997年1月20日記事参照)興味のある人は読んでみて下さい。映画もあるそうです。(英語では「Not
Without My Daughter」)「マートブ」ベティー・マムディー著 ジャンニ コミュニケーションズ社発行。
さて、今回はイランとテロについて考えてみたいと思います。
◆イランはテロ国家か?
テロとはテロリズムのことで、暴力や恐怖手段によって、政治的、思想的対立者を打倒しょうとする思想を言います。
イランはテロ国家としてアメリカから名指しで非難され、日本でもほとんどそのように受け取られているのが実状だと思います。でも、イランの歴史や今の国内状況、アメリカとイランとの険悪な関係などを考えると、現在は「イラン=テロ国家と言えない」というのが先生の意見です。
なぜなら、イラン政府は、国内外で活動しているテロリスト、ムジャヘディンハルクと今なお戦っているし、アメリカが、イランをテロ国家に仕立てている感があるからです。というのは、イランがアメリカ中心の和平プロセスに反発したり、核を持ち核兵器を持とうとしているため(また、アメリカ大使館人質事件の感情的な対立もあり)イランを国際社会で封じ込もうとするための手段に<イラン=テロ国家=危険な国>とみなそうとしているように思えるからです。
確かに、反体制派のイラン元首相やクルド人活動家が国外で暗殺され、容疑者としてイラン人が逮捕され、イラン政府が疑惑を持たれている事実やテロがあるたびに、アメリカやエジプトの大統領、パレスチナ自治政府議長がイランを非難することは頻繁にありますが・・・。
先生がイランの新聞を読み洗脳されてきているから、また、イランが好きになり肩入れしているためイランをかばっていると思われても仕方ありませんが、政府は他国にテロを行う前に、国内問題でお金と時間を使っていると思われるからです。これは2年間こちらで住んだ結論です。
AET(Assistant English Teacher)制度導入! テヘラン日本人学校には日本人学校の中では珍しく小学部にも中学部にも英会話の授業がなく、中学部のAETの先生もいませんでした。英語の教師としてこの学校に来た限りにはそれらの実現を密かに思っていたのですが、3学期に入ってようやく中学部のAET制度が実現されました。 AETの条件として@英語が上手いことAイラン人であることBイラン文部省が許可することがあったのですが、この条件を満たす人を探すのにたいへん苦労しました。雇用のトラブルがこちらの企業で多く、いろいろな人、役員の方々に相談にのってもらい、やっと決定されました。昨日、先生2人、生徒1人の第1回目の英語の授業を行ったのですが、旅行のことと趣味の話で盛り上がりあっという間に1時間が過ぎてしまいました。残り少ない授業で少しでも、生徒の会話能力、自己表現力をアップさせた いと思っています。みんなはどれくらい英語を話せるようになったかな? |