ハメドゥスト    テヘラン通信   第68号 







ノールーズ、モバラケ

 新年、あけましておめでとうございます。イランで3回目、最後の西洋暦の新年を迎えました。(ちなみに、イランの新年は春分の日から始まる)年始年末の慌ただしさがないことにもすっかり慣れ、このまま帰国して日本の生活に適応できるだろうかと少し不安に思っています。 さて、テヘランでは、1月16日現在で1月2日、5日、9日、14日と雪が降り、積もりました。13日の深夜から降り始め、14日の日中も降り続いた雪は市内の交通をストップさせ、小中学校も臨時休校させました。日本人学校も今年初の臨時休校を行いました。今月中旬からスキー学校があるのですが、今年は雪不足の心配ではなく、雪のため道路が閉鎖されないだろうか、新雪が多いため滑ることができないのではないか、ゲレンデに行くまでに雪崩には会わないだろうかなどと心配しています。実際、ゲレンデ近くの村でバスが雪崩にのまれ、22人が死亡、40人が負傷するという事故も起こっているのです。これ以上、降雪がないことを祈っています。(狭い校庭の雪かきもたいへんなので・・。)

(7)イラン人の結婚 その2
 イランの敬虔なモスリム(イスラム教徒)の結婚披露宴では、男女は別々の部屋でお祝いを行い、来客者は異性である新郎や新婦の姿を見ずに終わるのが一般的なものです。人々は歌を歌い、踊ったり、余興を楽しんだりします。娯楽の少ないイランでは当事者、招待客の最大の楽しみとなってるようです。  AETの結婚披露宴に昨年末参加したのですが、一般的な形ではなく西洋風のものでした。地域の警察にワイロを渡し行ったそうです。500人の招待客という日本の芸能人並の披露宴でその豪華さには驚かされました。末長く幸せになることを願いました。

(8)ベファルモイッド
お店の人がチャイ(お茶)を飲んでいるところやレストランで隣のイランの人の注文したものをのぞいている時、公園でピクニックして食事をしているところなどを不思議に思い見ている時など、必ずベファルモイッド(どうぞ)と言って自分のチャイや食べ物を差し出してくれます。これは、半分は本気、半分は意に反するというイランの人達の独特の習慣です。たいてい結構ですと断るのですが、3度は必ず言われ
ます。3回言って断れば、それは本当にいらないという意味になるからです。ある日本人がイランの人の貴金属類を見せてもらい、その美しさを褒めていると、ベファルモイッドと言われ持ち帰り、翌日、友達がそれは本気ではなかったので返すようアドバイスされたという笑い話もあります。相手を気遣い「どうぞ」と声をかけるこの習慣、イランの人の暖かみを感じます。

               整形手術は流行?!
 3年前イランに赴任した時、女の人が鼻にマスクをしている人が目に付き、車の運転の荒さから、それは交通事故によるものだと思い気の毒に思っていました。しかし、それは事故によるものではなく、整形手術によるものだということを確認しました。イランの女性は、ほりが深く、顔立ちがはっきりしていて美形の人が多いということは日本人社会でも常識となっているぐらいですが、鼻が大きいというのが自他共に認めるところなのです。本で魔女の挿し絵などを見たことがあると思いますが、イラン人のお婆さんは本当に魔女のようなのです。ですから、生活にゆとりのある家庭では、鼻を小さくする手術を受ける人が少なくなく、流行になっているという人もいるくらいです。イランでは、イスラムの習慣で女性は髪の毛、体を見せないようにするため、頭にスカーフ、体にコートを身にまとうことになっています。そして、それらでおしゃれを楽しむ若者が増えてきているのですが、鼻の手術後の白いマスクにはあまり気にせずに出歩くようです。