ハメドゥスト    テヘラン通信   第67号 






サラーム。テヘランでは、初雪が降り、うっすらと街を雪化粧させました。現在、テヘランでは12月9日から11日までイスラム諸国サミットが行われ、市内では物々しい警備が行われています。55カ国の元首が参するというイランにとって革命以後のビッグイベントとなるからです。そのため、前日の8日から11日まで学校も臨時休校、一般企業も勤務を差し控える命令が出されました。先生にとってはテスト準備と雑務がたまっていたのでいい休みとなりそうです。風邪をひいて急性中耳炎になったのでゆっくり休みたいとも思っています。日本人学校では、恒例のマラソンと餅つき大会、最後の社会見学が終わり、学期末を迎えようとしています

  
テヘラン・オイル・リファイナリ見学
 イランはオイルで有名ですので今年最後の社会見学はテヘランにあるオイル・リファイナリに行って来ました。そこではペルシャ湾付近からパイプラインで送られてきた原油をテヘランとテヘラン近郊の人々のために精製しています。ちなみにパイプラインの長さは約1400kmということでした。1日に約22万5千バレル(1バーレルは約159g)のオイルが作られているとのことでした。
 今回はオイルについてQ&A形式で紹介したいと思います。

Q1:石油と原油は違うのですか? 

A:違います。油井(ゆせい)または、石油井戸から取り出した天然のものを原油、それに人工的に種々の処理を加えて作られたものが石油です。

Q2:原油はどのようなところにあるのですか? 

A:原油を含んでいる地層は、サ岩などの粒の粗い岩石からできており、上下に水を通さない地層のデイ岩やケツ岩があります。昔、山脈だったところや現在、山脈のところに多く存在しています。(図参照)

Q3:原油はどのようにできたのですか?

A:いろいろな説があるのですが、次のように考えられているのが一般的です。簡単に説明すると、原油ができ始めたのは、今から1千年前から4億年前で、大昔地球上に住んでいた多くの海中微生物の死がいが海底に積もり、それらがバクテリアの作用を受けた後に地中に埋もれ、地熱や地圧の作用を受け、長い年月を経て、原油に変化しました。

Q4:原油からいろいろな油をどのように精製するのですか。

A:原油を熱して、いろいろな温度でできる蒸気を分けて取り、それを冷やすと沸点の違うものを分けることができ、いろいろな油が取り分けられます。さらに加工を加えると多くの石油製品ができます。

Q5:イランの原油産出量と日本の輸入量について教えて下さい。   

A:1996年にイランでは原油、約2億gが取れました。これは世界で4番番目の産出量です。その3分の1を国内で使い、残りを輸出しています。その内の5分の1は日本が輸入し、その金額は3千億円でした。