ハメドゥスト    テヘラン通信   第66号 





 
イラン、ワールドカップ出場!モバラケ!

 サラーム、ハレショマフーベ。皆さんお元気ですか。
 イランは、先週から今週にかけてイラン全土がたいへん盛り上がりました。ワールドカップ最終予選がメルボルンで行われ、イランがオーストラリアと2―2で引き分け、ワールドカップ本戦行きを決めたからです。その試合は、終了13分前まで0―2でイランが負けていたのですが、残り13分で同点とした劇的なものでした。日本戦に欠場したイランのプレイメイカーのバゲリがやはり活躍し、彼と日本戦で得点したアジジが得点し、イランの奇跡的なワールドカップ本戦出場が20年ぶりに決まりました。 その日は、イランでも生放送で試合放送をしていたのですが、試合が終わると、車はクラクションを鳴らし、人々は「イラン、イラン」と叫びながら通りを行進し、中にはその喜びを表すために踊っている人々もいました。車の上に10人ほど乗って旗を振りながらパレードをする人々もいて、イラン全土で大渋滞が起こりました。しかし、これは20年前にワールドカップに出場した時にも同じ様なことが起こり、イランの人達は自然に発生するパレードや交通渋滞のことは知っていたようでした。イランの学校は昼までで終了し、会社もそれに近い措置をとっていたのです。しかし、先生達はそんなことを知らなかったので、いつもは30分で子供達を下校させられるスクールバスが2時間以上かかっても下校させることができませんでした。  
 イランではおめでたいことがあると、ケーキやお菓子などを振る舞う習慣があるのですが、学校ではローカルスタッフが知らない間に用意していたそれらのものを先生達に振る舞い、通りでも見知らぬ人が同じことをしてくれました。中にはお金をばらまく人もいて、喜びを皆と分かち合っていました。 世界でも、日本でも同じ様なことがあると、皆喜び、喜び余って異常な行動を取りがちなのですが、イランの人達は、車や人の自然発生的なパレードや踊り(外国人の先生達にとっては異常な雰囲気を感じたのですが)で純粋に喜ぶだけで暴徒化するようなことはありませんでした。これは彼らがイスラム教徒 だったからではないかと思いました。
 その日や翌日はテレビで今までのゴールシーンやオーストラリア戦での得点シーンを何度も何時間も放映していました。日本に負けた時は、リプレーすら放送しなかったのですが・・。そのギャップを感じずにはいられませんでした。
 今回先生もイランを応援していたのですが、オーストラリア国民のマナーの悪さにあきれてしまいました。試合前に国歌や国旗の掲揚があるのですが、イランの国歌を歌う時に、ブーイングを行ったのです。普通は自国でなくても起立して聞くのが国際マナーなのです。これくらいのことは皆さんも知っておいて下さいね。国際社会で最低限のマナーぐらいは守れる日本人になって下さい。

         いきなり新聞の値段が2倍になった
 イランでは物価の上昇が日々続いており、イランの人々は毎日のように鶏肉や食用油、砂糖などの生活物資の値段を確認しあっています。最近発表されたインフレ率は前回と比べ18%アップということですが、実際は30%アップという見方が正しいようです。短期間の間に100円のものが130円になったということです。このインフレは先生達もタクシーに乗る時に実感しています。2年前は1時間4000リアルだったのですが、今は8000〜10000リアルになっているからです。先日も愛読している英字新聞が200リアルから500リアルになりました。2、5倍の値上がりです。そんなに高いものではないのですが、いきなり明日から値上がりしますと新聞の隅の方に書き、値上げをされたので気分が悪かったです。理由が他の新聞も値上げをするからというものだったのですが、2週間たった今でもまだ他の新聞は同じ値段です。