ハメドゥスト    テヘラン通信   第69号 






サラーム。ハレショマフーベ。
 2月になりました。厳しい寒さも峠を越したのか、1月よりも少し暖かく感じる今日この頃です。皆さん、お元気ですか?日本ではもうすぐ長野県で冬季オリンピックが始まるようですね。 さて、イランでは、1月29日に予定よりも1日早くラマザン(断食月)が終わり、人々は穏やかな顔をしています。2月1日からは革命勝利記念週間に入り11日の記念日に向けて町中がその準備の飾り付けを始めました。故ホメイニ氏のイランの人達への影響は、私達外国人には計り知れない程、大きいことが感じられます。  
 日本人学校では、予定されていたスキー教室が1度吹雪のため中止となりましたが、4回行うことができ、児童・生徒ともとてもうまく滑られるようになりました。(右欄参照)現在、2月の学芸発表会へ向けて各学年とも、一生懸命練習しています。 さて、今回でこのテヘラン通信も最終回前号となる予定です。イランで初めて映画を見てきましたので、そのことについて紹介しましょう。今、日本でも話題の邦画「HANA-BI」を見てきました。

 
◆イランの人達の娯楽、映画
 現在、イラン映画フェスティバルが行われており、世界各国からの映画が公開されています。その中に、北野武(ビートたけし)監督の「HANA-BI」があり、たまたま 新聞に紹介されていたので、見てきました
 昨年のベネツィア映画祭で金獅子賞を取った作品だけあって、最近の流行路線から少し間を置いた、しっかりしたテーマのあるもので満足しました。イランでまさか、日本で封切りされたばかりの映画を見ることができるなんて夢にも思わなかったので、二重の喜びでした。
 イランの人達も映画が大好きで、週末には長蛇の列が映画館の前で見られます市内には映画館も多く、唯一の娯楽だと言う人もいます。ほとんど日本の映画館と同じシステムですが、入場料は日本円で60円ほどでとても安いそうです。公衆の場で婚姻していない男女が一緒にいることは禁止されているのですが、なぜか映画館は男女混合可となっており、デートをするのに適した場所となっているとのことです。映画館の前で長時間長い列を作り待っているのを見て、不思議に思っていたのですが隠された事実を知り納得しました。

              テヘラン日本人学校のスキー教室
 
テヘランで生活している子供達は、各家庭の車かスクールバスで登下校し、放課後も自由に遊べる場所がなく、学校の校庭もミニサッカーができるほどの小さな校庭なので、どうしても運動不足になりがちです。ですから、夏場の水泳、秋のマラソン、冬のスキーを体育授業の一環として校外で行い、運動不足解消の取り組みを行っています。
 スキー教室では、基本的に教師が指導する事になっているのですが、得手不得手があるので、テヘラン在住の方でスキー指導の資格を持っている方にボランティアで指導してもらうことも行っています。学校では転出入が多いので、スキー技術の能力別で指導を行っています。小学1年生で今までスキーをしたことがない児童でも、最終日には、乗るのが難しい1人用のリフトに乗って山頂から滑られるようになるのには驚かされます。先生も、3年間指導してきたせいか、かなり自分でもスキーは上手くなったと思っています。これも、イランのいいお土産になりそうです。
 今年は雪が多く、新雪の積もったスロープを全校生徒で1時間ほど雪踏みをしてから始めなければならないことがありました。70mほどのスロープを1時間ほど踏み固めたのですが、スキーをする前に疲れ切ってしまいました。前回報告した雪崩で、犠牲になったバス、トラックが途中の道に置かれており、その無惨な姿に子供達は雪の怖さも勉強できたようです。
 ちなみに写真は、スキー場近くにあるキャバブ屋での昼食風景です。各学年ごとで順番に昼食を取ります。「スキーの後のキャバブは最高!」という顔でしょ。