ハメドゥスト    テヘラン通信   第64号 





日本、ワールドカップ初出場記念号!

 サラーム。ジャポン、モバラケ!(日本、おめでとう)  
 ついに日本が自力でワールドカップ出場を果たしました。強敵イランを相手に延長後半終了間際のVゴールで3対2で破ったのです。ワールドカップは4年に1度行われるサッカーの祭典で、日本はまだ出場したことがなかったのです。オリンピックと違い、予選を勝ち抜かなければならないからです。今回、イラン対日本で本戦への出場権をかけた試合が行われましたので、イランチームのことや試合以前のこちらの様子を紹介したいと思います。

 ◇調子の良かったイランチームに何が起こったのか?◇
 イランは日本と別グループで常に1位でした。ドイツで活躍する3人の選手がチームを引っ張り、積極的に攻撃をする戦術は見事でした。しかし最後の3試合で自力で1位になることが出来ず、日本とのプレーオフをすることになりました。あれだけ見ていて楽しいイランのサッカーだったのに急に調子が落ちてしまったのです。その原因はコーチと選手の確執にあったようです。噂ではコーチと選手が殴り合いのけんかまでしたそうです。グループ最終戦でイランはカタールに負け、コーチやスタッフが交代させられたのですが、このことが主な原因だったようです。
 ちなみに、サッカーは国民から愛されているスポーツで今回の不振に対し、国会議員がスポーツ活動を管轄する体育庁次官の解任を要求するなどのことも起こり、議会にサッカー協会会長が呼ばれ、釈明もしました。

 ◇試合2日前に注意勧告◇
 イランの人のサッカー好きは有名です。サッカーは彼らの唯一の娯楽となっているのかもしれません。熱狂的なファンも多いです。
 そのようなこともあって、イラン在住の日本人に対し日本人会から注意勧告が出ました。内容は、イラン対日本の試合の結果いかんでは、イラン人の邦人に対する対応が過敏になることも予想されるので、試合当日の夕方から数日間はイランの人を刺激しないようにとのことでした。少し、緊張しましたが、試合後、近くのお店に行くと、「日本おめでとう」と祝福してくれたり、「日本3点、イラン4点」となどと冗談を言いながらいつもと変わらない親近感を表してくれました。

 ◇日本に負ける理由はなかった◇
 試合前の予想ではイランも日本も互角というのが一般的な見方だったのですが、先生は3対1で日本の勝ちと予想していました。理由は、
@イランは試合の3日前に日本との試合が決まり、準備不足だったこと。
Aイランの中心選手であり二次予選で6点を取っているバゲリという選手が出場できなかった。
Bイランのコーチがかわり、戦術が徹底されなかった。
C日本が今まで苦しい戦いをしてきて、精神的に強くなった、からです。
気候も日本に味方したようです。イランは技術、体力ともに優れたチームですが、あんなに疲れ切ったイランチームを見たのは初めてでした。

 この2ヶ月間、日本代表の試合がある日は日本へ国際電話をかけ、結果を聞いていたのですが、W杯出場を決定し、先生の楽しみが減り、少し残念にも思っています。イラン戦はこちらで生放送で見ることが出来たのですが、Vゴール後、リプレーもなしに放送が打ち切られ、勝利の余韻が楽しめなかったのも残念でした。これもイランらしいところだと思いました。
 後日、その後の様子をまたお知らせします。