ハメドゥスト    テヘラン通信   第60号 






サラーム。ハレショマフーベ。
 テヘランでは、最近1週間で街路樹のチェナール(すずかけ)の木の葉が急に茶色がかってき、秋真っただ中といったところです。皆さん、お元気ですか?
 9月30日の新聞にイランがイラク領内のイラン反体制派グループの拠点を爆撃し、イラクからの報復があるのでは?と、こちらでは緊迫したを数日を過ごしました。しかし、目的がはっきりしていたので、両国の交渉で心配していた事態は起こらず、安心しました。 テヘラン日本人学校では、運動会が今年も大変盛り上がり、終了しました。運動会はテヘラン在住の日本人の方々にも参加してもらう競技を準備し、多くの方々に参加してもらっています。ただこの時、イスラム教の女性隔離の習慣で公の場で男女が行動を共にすることが問題になるので、女性専用の体育館を1日貸し切ることにしています。運動会前日の夜に必要な用具、放送機器などを学校から運び、体育館のフロアに白テープでトラックや線を引き、準備をします。
 今年の運動会では、中学部の2人が特にがんばり、良い運動会になりました。彼らにとっても、先生にとっても最後の運動会、いい思い出になりました。
 昨日、日本人会主催ソフトボール大会が行われ、学校チームは大使館チームを危なけなく破りました。3年目の今年は何としても優勝したいと思っています。

(4)使用人(メイド、サーバント)について
 イランでは、人件費が安いことや失業率が高いこともあり、個人の家で人を雇うことが多いです。日本人家庭ではお手伝いさんや掃除屋さん、テニスココートではボー ル拾い、と日本ではあまり見かけない仕事をする人達と接することが頻繁ににあります。また、チャイボーイと呼ばれるお茶を入れるのだけが仕事の人も企業ではいるぐらいです。
 イランの人達は、例えば、自分のお手伝いさんであれば、彼らを雇っているので、ある用事を頼み、うまく彼らに働いてもらうのですが、日本人の先生達にとってはそれが難しく、戸惑うことがよくあります。肉体労働をさせることやお茶を入れなどを幼い頃から他人に頼んだことがなかったからかもしれません。 もちろん、うまくお手伝いさんを働かせる日本人家庭もいるのですが、それはそれで、違った悩みがあります。子供は親を見て育っているので、子供が親の真似をし、全てお手伝いさん任せにしてしまうといったことが起こるからです。学校で用務員の現地人スタッフにお茶を持ってきてと頼んだ児童もいるくらいです。使用人の習慣も興味深い問題の1つです。

               社会科副読本〈改訂版〉完成!
 小学校の3、4年生の社会科では地域のことを勉強するため、教科書の他にその地域のことを学習できる副読本が必要になります。そこで、3年前初版が当時の先生方により作られました。しかし、資料が古くなったり内容をさらに充実させるために昨年度から改訂作業を行ってきました。昨年度は教師全員がテーマを持ち、それについて研究し、今年度は文章の点検、印刷、製本を行い、先日完成させました。オールカラーページでイラン、テヘランの情報満載なので、児童・生徒、保護者だけでなく、在テヘラン企業の方々にも好評でした。邦人が300人ほどしかいないこの地で、150冊ほどの注文を受け、教師一同たいへん喜んでいます。
 この担当を2年間していたのですが、印刷や製本で業者にあれこれと注文をつけながら進めたのですが、だいたい思い通りに完成させられ、ホッとしています。 この副読本で児童・生徒がイラン、テヘランのことを学び、国際人としての基礎を培い、豊かな人格形成が出来ることを願っています。