ハメドゥスト    テヘラン通信   第3号






 サラーム。ソブベェヘイブ。( Hi , good morning .)ハレショマホベェ。(How are you ?)<フーベ。メルシー。(Fine, thank you .)と答えて下さい。>
 今回は、テヘランのこととここでの具体的な生活について話を進めていこうと思います。

◆イスラム教について
 イランでの生活は全てイスラム教に規制されていると言って過言ではないようです。
 例えば、女性は肌、髪の毛を見せてはいけない、豚肉を食べてはいけない、酒を飲んではいけない、結婚していない男女の接触の規制などがあります。
 では、具体的にそれらはどのように守られているかというと、女の人はルサりー(スカーフ)とコートを身につけて外出します。外に見えているのは顔だけです。イスラムの信仰の厚い人は1枚の毛布ぐらいの大きさの布(チャドル)を身にまとい、それを引きづりながら町を歩いています。
 スーパーや店には豚肉はなく、牛・鳥・羊などの肉があるだけです(ちなみに、肉は鳥が丸ごと首なしのまま、羊の頭・牛の舌がそのまま並べられています。)酒は全くないです。
 また、公共のほとんどの場所で男女別があります。学校でも、バスに乗る時もです。バスは男性用、女性用の二両編成となっています
 外国人にとっては不都合なことは多いですが、警察の取り締まりもありますし、「郷にいれば郷に従え」という事で、上記のようなことは必ず守っています。イラン人にしてみれば、イスラム教は自分を鍛えることができるいい宗教だそうです。

◆首都、テヘランにて
 イランは24の州に分かれています。そして、テヘランはイランの北部に位置しています。
 イランの首都テヘランは、イランの全人口の10分の1が住む大都市です。テヘランの市長によりグリーン運動が進められ、たいへん花や木の多い、美しい町です。乾燥し、砂漠化しているところもありますが、人工的に植林されていて木々を大切にしています。(勝手に木を切ると6ヶ月の刑に処されます。)


 
車社会が浸透し、移動はほとんど車で行います。高速道路網が発達し、イランに着陸する飛行機から見た高速道路の照明のつながりは、大変きれいでした。高速道路といっても、日本とは異なり、料金は無料で、自由に出入りできます。(ふつう、世界的にはそれが当たり前。)鉄道もありますが、鉄道は他の都市に行く手段のもので、市内には走っていません。公共の交通手段としてはバスが走っているぐらいです。
 先生の住んでいるザファールのナフト地区は、テヘランの北にあり、標高1380mぐらいのところです。高地で生活しているので、運動するとすぐに息が切れ、疲れやすいです。また、気圧が低いので、炭酸飲料の缶を開けるときはすごい音が鳴ります。また、日本から持ってきている食物の入っている袋は破裂するぐらいに膨らんでいます。
 テヘラン北部の先生の住んでいるところはたいへん治安がよく、驚いています。こんな国が日本以外にあるとは思っていませんでした。しかし、南部では時々、暴動が起こっているので、南部の方へ買い物に行くときは、現地の人に様子を聞いて行くことにしています。

気温は、つい最近、春が終わり夏になったようです。現在、室内の気温26度、外は31度です。気温のわりには、過ごしやすいです。湿気が少ないせいでしょう。(6/1現在)
 食べ物は、豊富にあります。肉は前回言ったとおりで、野菜、果物はたくさんあります。特に、果物はおいしく、喜んでいます。4、5月はリンゴ、5月中旬からすいか、下旬にはチェリー、洋なしを食べています。野菜も人参、タマネギ、大根、じゃがいも、春菊、ほうれん草など何でもあり、安く買うことができます。

 

学校の周りには、スーパー、床屋、花屋、パン屋、ケーキ屋、服屋、ハンバーガー屋、やおやなどいろいろな店があり、生活しやすい地域に住んでいます。最初は、値段の事で店員の人とよくけんかをしましたが、今はそんなことはなく、先生のことをよく覚えてくれ、親切にしてくれています。先生も、「サラーム、ハ レショマホベ」と元気よくあいさつして、彼らと付き合っています 。

 ◆テヘラン日本人学校
 1968年に設立された日本大使館付属の学校で、運営は現地の日本人会によってされています。先生は文部省からの派遣教員として、テヘランにいる日本人の子供達に日本と同じ教育をする事を目的に勤務しています。4月当初は、全校生徒33名でスタートしましたが、現在27名となっている小規模校です。先生は4人の児童のいる小学3年生の担任で、小3の授業と中学生全ての英語の授業を教えています。今、ひまわりの観察がとてもおもしろく、毎日の成長を楽しみに学校へ通っています。


                              なんと、料金メーターがないタクシー !

テヘラン市内の交通は、ほぼ車での移動ということをいいましたが、では、人々はどのような交通手段を使うかというと自家用車、バス、タクシーのいずれかを使うことになります。現地の人は自家用車やバスを利用しますが、先生たちは専らタクシーを利用することが多いです。(ちなみに現地の日本企業の方々はドライバー付きの車を利用している。)そのタクシーですが、車種はいろいろあるのですが、ほとんどがイラン製のペイカンと呼ばれる車か、古い外国の車です。それらの車は、ドアの鍵がかからなかったり、窓が割れていたり、スピードメーターが壊れていて、しかも、日本のように料金メーターがないのです。はじめは乗り方やお金の払い方が分からず苦労しましたが、今では行きたいところへ行け、思った金額で目的地へ行けるようになりました。値段は、乗る前に交渉したり、自分が思った金額を出して交渉したりします。日本人は多めに取られることが多く、先生もよく取られました。途中で相乗りをするのが常で、1台のタクシーに(運転手を入れずに)7人乗っているのを見ました。タクシー代は、たいへん安いのでイランの人々もよく利用するのです。