ハメドゥスト テヘラン通信 第59号
サラーム。ハレショマフーベ。
9月22日からイランではウィンタータイムが始まり、その日の午前0時に時計を1時間遅らせました。また、翌日からイランの学校の新年度、新学期がスタートしました。今年は、大統領も閣僚も替わったので、イランの学校の新学期がいつ始まるか分からないという妙な状態が続いていたのですが、とりあえず、イランの伝統的なイラン暦7番目の月(メへル)から始まることになりました。イランでは、この日から厳密に秋とされています。(日本でいう秋分の日です。)
9月17日に先生は、生まれて初めて「皆既月食」を見ました。午後11時頃だったのですが、月にすすがついたような状態でした。この皆既月食は25年ぶりに起こったものだそうです。
テヘラン日本人学校では運動会の取り組みの終盤戦を迎え、相変わらず忙しい日々が続いています。特に担任をしている中学生は応援団長、生徒代表などの仕事が重なりたいへんです。あと少しなので頑張ってもらいたいと思っています。
◆ 日本とイラン文化比較
(3)働くということ
たいていの日本人は労働時間と私的な時間とを厳密に分けていると思いますが、イランでは、その違いがあまりないように感じることがしばしばあります。例えば、スーパーやお店に買い物に行くと、店員はチャイを飲み、菓子を食べながら接客し、知り合いとのおしゃべりを優先させ、客が待たされるということがよくあります。レジに行った時、後ろを向いて食事をしており、それが終わるまで待たされたこともありました。接客までマニュアル化された日本に慣れていた先生にとってそのギャップを感じずにはいられませんが、自分が楽しんで仕事をしているという部分だけには親近感が持てます。
興奮! イランvsサウジアラビア!! 9月19日に、来年行われるサッカーのフランス・ワールドカップの予選がテヘランのアザディー・スタディアムで行われました。その競技場の収容人員は10万人なのですが、当日は12万人が試合を観戦し、3万人が場外で応援をしていたそうです。 イラン、サウジアラビア(以下サウジ)は日本とは別のグループなのですが、この2チームはおそらくアジア地区のトップチームだと思い、その試合を大使館員の方々と見に行ってきました。会場に2時間前に行ったのですが、一般席は満員で埋め尽くされていました。また、競技場の中に試合が見られるわずかな隙間が鉄格子付きであったのですが、そのような場所からでも見ることができないくらい多くの人が観戦に来ていました。ちなみに競技場には女性は入ることができず、12万人の観衆は全員男性でした。試合前は熱気ムンムンの応援の練習が全員で試合直前までずっとされていました。12万人の応援はおそらく想像できないと思いますがそれは迫力のあるものでした。現在、日本ではせいぜい6万人が収容される競技場が最高なので、これも日本では体験できないことの1つだと思いました。 ![]() 試合は前半、イランがPKをもらったのですが、決めることができず、逆にサウジが1点を先取し、イランが追う形となりました。1点を取られた瞬間、場内は静まり返り、寒気を感じるくらいでした。審判が日本人で主審がJリーグでもおなじみの岡田さんだったのですが、イラン側に反則を取るとブーイングが起こり先生達日本人にもイランの人達から文句を言われるぐらいで、早くイランに1点を取ってもらいたいと思いながら前半が終わりました。後半開始10分ぐらいにイランが1点を取り同点に追いつきそのままゲームは終わったのですが、1―1の引き分けで、イランが負けずに試合が終わり一番ホッとしたのは先生達だったかもしれません。 イラン、サウジのうまいサッカーが見れ、主審の岡田さんとも目の前で会うことができ、また1つイランでいい思い出ができました。 |