ハメドゥスト    テヘラン通信   第58号 






サラーム。ハレショマフーベ。
 テヘランはこの頃朝夕めっきり涼しくなり、1日の最高気温も30度を超す日がなくなりました。日の入りも8月だと9時過ぎだったのですが、今では8時になると真っ暗です。(でも、なぜかその時間でもイランの人達や子供達は公園でくつろいだり、遊んだりして、日本との習慣の違いを感じざるをえません)今年は例年より暑い夏だったので、厳しい冬がやってくるのかもしれません。 
 テヘラン日本人学校は2学期が始まり、早くも一週間が立ちました。現在10月に行われる運動会の練習で、児童・生徒も教師もたいへん忙しい日々を送っています。でも、担当の先生にとっては、この慌ただしい緊張感が気持ちいいです。 ちなみに今年の運動会のスローガンは「かがやけ!ゴールをめざして!」で15mの横断幕も児童・生徒で完成させました。今年も盛り上がる運動会になりそうです。
 今回からシリーズでイランと日本との文化の違いについて考えていきます。

 ◆ イランと日本、文化比較
(1)スプーンとフォーク
 最近日本でもナイフとフォークで食事をする欧米スタイルが増えてきましたが、やはり、はしを使って食事をする人がほとんどだと思います。イラン料理では、欧米と少し違いスプーンとフォークで料理を食べます。シチューや肉料理が多いのですが、イランの人は肉をスプーンでうまく切り食事をします。肉も軟らかいので切りやすいのかもしれません。でも、ナイフの代わりにスプーン使うなんて器用だと思いませんか?ちなみに、イランでは、鶏肉、羊肉、牛肉が豊富にあり、羊肉が好んで食べられています。

(2)日本では行儀が悪いけど・・・
 イランの人達はチャイが大好きです。チャイとは以前に書きましたが、紅茶のような飲み物です。紅茶にミルクやレモンを入れて飲む人が多いと思いますが、イランでは、砂糖しか入れません。砂糖もたいてい角砂糖で、チャイに入れずにそのまま口に入れチャイをすするのが一般的な飲み方です。また、角砂糖をチャイに浸し食べる場合もあります。コップの中のチャイが熱ければ、受け皿に少し分けてすすることもあります。そのようなことを子供の頃、先生がすると行儀が悪いといって親に厳しく叱られた記憶があるのですが、ここではそれらのことが当然のように大人の人によって行われています。国が違えば、礼儀作法や習慣などが違うということをちょっとしたことで教えられます。 チャイは普通、ガラスのコップで飲まれ、このセットはイランの人にとって欠かせないものとなっています。ピクニックにはチャイの葉と湯の入ったポット、ガラスのコップは必ず持って行かれます。

                  チップの習慣
 日本人が海外へ旅行へ行くと困ることがいくつかあるのですが、その中の一つにチップの習慣が挙げられます。チップとは、あるサービスに対して臨時に渡す少額のお金のことで、例えば、ホテルに泊まると部屋を出るときにピロー(枕)チップとして部屋を世話してくれた人に対して感謝の意を表して少額のお金を置いていきます。イランでも欧米と同じようにこのチップの習慣があり生活の中で戸惑うことがありました。まず、大人の人に対して少額のお金を渡すことに対して、始めは戸惑いました。小さな子供にお小遣いを渡しているようだったからです。次に、チップの額です日本にはない習慣なのでイランに住み始めた頃はいくら渡せばいのか額を周りの人に聞いてから渡していました。その他に、チップを渡していい人やタイミング、渡し忘れなどありましたが、今ではこの習慣も身に付いてきました。ただ、郵便小包を持ってきた人や町の清掃人、ありがた迷惑に世話をしてくれた人に対してチップを渡すことに対しては、まだ抵抗があります。また、イランではこのチップが時々あることに対して便宜を図った場合にも払われるので、ワイロにもなっているような気がします。