ハメドゥスト    テヘラン通信   第56号 





サラーム。ハレショマフーベ。
 テヘランは最高気温40度の猛暑が続いています。皆さん元気でしょうか。気候と同じように、政治に関してもイランの人々はHOTで、ハタミ大統領が提出した閣僚が議会で通るか否かが人々のここ1週間の話題となっていました。結局、大方の予想に反し、ハタミ大統領指名の閣僚が全員承認され、またしても保守派の惨敗という結果になり、少しずつ第二のイラン革命が進んでいるように感じます。
 さて、今回は恒例になっている長期休業中の国内研修旅行についてです。

 
◆ カスピ海沿岸ドライブ旅行
 8月の下旬に2泊3日でカスピ海沿岸へ行って来ました。今回の旅行目的は、ラシュトから1時間くらい離れたところにある「マスーレ村」とイランとアゼルバイジャンとの国境にある「アスタラ」という町を訪れることでした。
 マスーレ村の見所は、山に面して家が建っており、屋根が道になっている所でした。遠くから見ると段々に家が山頂に向かって建っており、人の家の屋根を人々が歩いているのです。山の斜面に作られた村にはバザールや食料品店、レストランなどがあり、3階や4階建てになっている細道を除いてはイランの田舎の村と同じでした。夏の避暑地となっており、イランの人達も大勢訪れていました。ちなみにテヘランが気温40度だったのに対して、マスーレ村は15度と肌寒く感じました。
 次にアスタラを訪れました。この町の半分はイラン領半分はアゼルバイジャン領になっており、川が国境となっています。陸に国境がない日本に住んでいるので、町の様子をぜひ見たかったのです。国境となっている川沿にはマシンガンを持った警官が頻繁に巡回していて、国境警備隊の高見台が100〜300mの間隔であり、のんびりとした田舎の風景とは対照的に重々しい雰囲気でした。町にはロシア語とペルシャ語の表示をしているお店やロシア製品を売っているバザールがあり、国境の町に来たということを感じざるをえませんでした。アゼルバイジャンの白い屋根の家屋が印象的でした。
 カスピ海沿岸は米作地帯で有名なのですが、北のアスタラからチャールースまでずっと水田がつながっておりいくつかの農家ではもう稲刈りをしていました。帰りにラムサールによりチョウザメ作業所に宿泊学習のお礼を言いに立ち寄ったのですが、ちょうどアセトラという種類のチョウザメが捕れており見学してきました。