ハメドゥスト テヘラン通信 第49号
サラーム。ハレショマフーベ。
前回の通信では、「テヘランはもう夏」と伝えましたが、その後雨が降り、過ごしやすい気候になっています。街路樹の枝は1ヶ月で20〜50cmも大ききなり、一緒に理科を勉強している小学4年生の児童と驚いています。
イランでは、5月23日に行われる大統領選のキャンペーンが始まりました。
238人の候補者の中から4人が最終立候補者とされ、その人達のポスターが所構わず貼られています。こちらでは、選挙運動のルールがきちんと整えられておらず、ポスターを無断で家の前に貼ったり、破ったり、ポスターの上から違う人のものを貼ったりと好きなように行っています。また、選挙の結果はナテク・ノウリ氏が大統領になるに決まっていると誰もが思っています。
5月10日には、今年3度目となる大地震がイラン東部ビルジャンドとガエン付近で起こりました。その近くの200の村が壊滅状態だそうです。国営放送による報道で死者の数が発表されたのですが、1000人→2400人→4000人→1560人と変わっていきました。多くなるのは理解できるのですが、最終的には少なくなったのです。事実として少なくなることはいいことなのですが、政治的な意味で数字が変更された可能性もあります。
◆ カスピ海周辺の旅
今年度6月に行われるカスピ臨海学習の下見のために、4月25日から5月11日の間に3度、いずれも1泊2日の旅をしてきました。テヘランからバスで片道6時間の行程で、日中から日が暮れるまで見学地や体験学習地をカスピ海周辺の町で探すといった強行日程だったのですが、これも海外の日本人学校ならではの仕事と思い、楽しんできました。
今年は、チョウザメから取った卵の塩漬け、キャビアの作業所とイランの人の大好物であるチャイ(お茶)のチャイ摘み、チャイ工場の見学、飯ごう炊さん、そして、カスピ海での水泳が主な活動と予定しました。宿泊地、プライベートのビーチ、キャビアの作業所、チャイ畑を一から探し苦労しましたが、何とか3回の下見で準備できました。
キャビアの作業所は、キャビアがイランの石油に次ぐ重要輸出産物で、許可なしの見学は違法ということで手こずりましたが、手紙を書いてお願いするということで話がまとまりました。水泳の下見は気温20度足らずの状況で行い、とても寒かったです。でも、カスピ海、初泳ぎということで感動しました。
カスピ海周辺は日本の田舎の風景と全く同じで緑が多く、また湿気があり心地よい気候でした。米作が盛んな所で、先生が行った時期はちょうど田植えの頃でした。昔ながらの方法で、女の人が横一列になり、丁寧に田植えをしていました。
またもイランで大地震 5月10日午後12時30分頃、イラン東部ビルジャンドとガエン付近でマグネチュ ード7、1の大地震が起こりました。現在、死者1560人だそうです。昼間ということもあり、学校で110名の生徒が一度に命を失ったところもあるそうです。テレビや新聞では、崩れた建物の中から死者を取り出す作業や家族を亡くし絶叫する人達の映像や写真が連日報道されています。200の村が一瞬につぶれたようです。毎回、地震の後の新聞では、日干しレンガや泥で作られた家のため被害が大きくなっただとか政府の建築の指導が必要、近代国家の建築技術の輸入が急務といった記事が載るのですが、今年に入って3度目の大きな地震の前にも何の措置も計画も立てられていませんでした。今年2月4日と今回地震のあったホラー サン州、2月28日にあったラシュト州、1990年4万人の死者を出したギラン州、ザンジャン州はアルボールーズ山脈沿いにある地震地帯で、テヘランもこの一部分に含まれています。テヘランで地震が起こると過去最高の被害になることは間違いないと記事では締めくくられていました。 我が家では、地震が起こった場合の避難訓練を真剣に行っています。 |