ハメドゥスト テヘラン通信 第38号
サラーム。チェトレ?
今週は、イラン人とのスポーツ交流ウィークとなりました。以前からソフトボールかサッカーをイランの人達としたいなぁと思っていたのですが、偶然知り合ったテヘランの野球協会の人の紹介で両方が実現されました。今週の予言者召命日の祝日と金曜日に行いました。ソフトボールは、イランではマイナーなスポーツなので簡単に勝てると思っていたのですが、5回まで2対2の同点で日本人チームは少し焦ったのですが、5回以降打撃が爆発し、結局24対6で大勝しました。イランの人達に感じることなのですが、ゲームなどで集中力が突然切れることがあり、その典型的な例を目の前で見ました。サッカーは彼らの最も得意とするスポーツで、2対6の大敗でした。日本チームは人手が足りず、練習もしたことのないチームなので当然と言えば当然の結果なのですが、相手チームのうまさにはとて驚きました。個人技といい、チームプレーといいかなり練習を積んでいるチームだったようです。両方の試合で、先生達のチームを歓迎してくれ、とてもうれしかったです。また、イランが好きになりました。
日本人学校では、恒例の餅つき大会が行われ、一足先にお正月気分を味わいました。
◆ 深刻な大気汚染問題
テヘランは今年の春、世界で最も空気が汚れている都市となったそうです。先生達は、山に近い北部に住んでいるので日常生活では、あまり空気の汚れを感じないのですが、市内を見下ろせる場所に行って南部を見てみると、スモッグが町を覆っているのがよく分かりますし、市内に長時間いると慣れていないせいか、目や頭が痛くなることがあります。夏に校庭で体育をしていると子供達が喉や頭が痛いと言うこともありました。光化学スモッグだったようです。
テヘランに住んでいる人々は、大気汚染に対して関心がないのかなぁと思っていたのですが、先日、新聞にそれについての記事が載っていて、その解決法などが論ぜられていました。その記事によると、テヘランの周りには大小様々な工場があり、それも大気汚染の要因なのですが、60%以上はテヘランの約200万台の車による排気ガスが原因とのことです。1日平均人々は、0、5gの鉛を吸っている計算になるそうです。上の表からも分かるように一酸化炭素が通常(健康限界線)の3倍以上になることもあり
ます。
その解決法ですが、車の構造面の規制を行い、古い車を走らせないことや車検制度の徹底を第一に挙げ、その他、車やバスに代わる交通機関、例えば、モノレールや地下鉄の設営、ガソリンを使わないで済む電気自動車の普及、急発進、急停車するタクシーをなくすための市の独占公共交通機関の設営、子供達に対する大気汚染の環境教育の推進と交通ルールとマナー教育の徹底、首都の移転などがありました。
このようなことは、30年も専門家によって論ぜられているそうなのですが、未だに何も実行されていないそうです。
1リットルのガソリンが150リアル(5円)という低価格がその最大の原因なのかも知れませんが、石油産出国の宿命を感じます。一刻も早く解決策を実行して、日本から呼ばれている「不健康地」の汚名を少しでも返上してもらいたいものです。
この号が今年の最終号となります。3年生の皆さん、受験勉強頑張って下さいね。
キャビアって知ってる? キャビアは世界三大珍味の一つで(他にフォアグラ、トリュフがある)その90%以上がカスピ海でとられています。キャビアはチョウザメの卵の塩漬けで、イランの重要輸出品の一つとなっています。 日本では高価すぎるのですが、ここでは、(日本と比べて)格安で手にはいるので「キャビア丼」などを時々食べることができます。なかなかの珍味です。ただ、旧ソビエトの崩壊後、チョウザメの乱 獲や水質汚染が進み、深刻な問題となっています。皆さんの周りでも環境破壊はありませんか。 |