ハメドゥスト    テヘラン通信   第29号 






                    
 イラン国内の旅行の中心は、昔の栄華を振り返る、遺跡や有名な人のお墓、バザールの見学ですが、今回は見事にお墓見学onlyとなりました。日本からイランに帰ってきた翌日に旅行を計画していたので、旅行疲れか、車の排ガスのせいか、イランの生活に慣れていない空気の薄さのせいか、ひどく疲れてしまいました。鼻が乾燥し、息苦しいイランをなつかしく思い出した旅でもありました。

 
               聖地マシャッド

 マシャッドはイランの5分の1を占めるホラーサン地方の州都で、昔から、歴史的にも、文学的にも重要な役割を果たしてきました。テヘランからは約1000q離れていて、飛行機で1時間10分で行けます。 
 マシャッドは、9世紀前半から「殉教の地」として栄 えた町で、「マシャッド」とはペルシャ語で「殉教」という意味です。これは、8代目イマーム、イマーム・レザーがこの地で殉教し、彼の聖廟があるからです。(以前にも説明しましたが「イマーム」とはイスラム教シーア派のリーダーのことで12人います。)イマームの中でイランにお墓があるのは唯一8代目イマーム・レザーだけで、そのため、イラン最大の聖地となっていて、イラン人、イスラム教シーア派教徒は一生に一度は訪れるべき土地となっています。毎年、近隣諸国(イエメン、イラク、インド、アフガニスタン、パキスタンなど)からの訪問者も合わせると、1200万人もの人が訪れるそうです。旅行中長距離トラックをたくさん見かけました。
 マシャアドは聖地ということもあり先生のような異教徒はイマーム・レザー廟には入れないとガイドブックには書いていたのですが、何とか入れてもらうことができ見学できました。信者達は、墓の周りに群がり、泣いている人、墓を触っている人、キスをしている人と様々な表現をしていました。皆興奮しているので恐ろしくも感じました。4年前、そこの女子トイレで爆弾テロがあり、それ以来カメラやビデオの撮影は禁止されています。
 その他に、18世紀前半にアフガン族を追放したナーデル・シャー、イランの人達に最も愛され続けている大詩人フェルドーシ、数学者で天文学者のオマール・ハッヤム、詩人のアッタールなどの墓参りをしてきました。














                            
イランのトイレ事情
 
イランのトイレについては以前にも紹介しました。水洗便所も、もちんあるのですが、イランの人達はイラニアントイレと呼んでいる「くみ取り式便所」を使っています。両方とも地下に汚物をためてそのまま大地にしみ込ませているそうです。2、3年に一度は地下のたまったものを取り除く、ということを最近聞きましたが・・・・。    
 さて、そのイラニアントイレですがトイレにはトイレットペーパーはなく、水の出るホースと和式のものに似た便器があるだけです。大便の後は水で洗い流すそうです。また、男の人も女の人も、大便、小便に関わらず皆座って用をたすそうです。ですから、公衆便所やホテルなどでは男性用、女性用が分からず苦労することがしばしばあります。