ハメドゥスト    テヘラン通信   第28号 






 サラマレーコン。イランの夏も暑いけど、日本の夏もたいへん暑かった!この夏、1年4ヶ月ぶりに帰国して「日本の夏の方が暑い。」と感じました。
 その理由は・・・・・この通信を読んでみて下さい。今回は、日本でよく質問されたことを説明していきますので、今までこの通信を読んでいなかった人も今回から読んでみて下さい。自分の知らない世界に興味を持つことは、これからの君にきっと役立つことを約束します。
 尚、実際の会話のように進めていきますので、標準語でない大阪弁の表現も多々あります。あしからず。  

まずは、気候の話から・・・・

Tさん: よっ、久しぶり。あれっ、あんまり焼けてないなぁ。イランって暑い国やろ?
(仮名)
私: 暑いですよ。でも、日本の方が暑く感じますね。
T: え、ほんま?
私: 確かに、イランは暑いですよ。春から夏にかけて30ー40℃の日が続きますから。去年の夏のグランドの気温は50℃越えてましたからね。でも、湿気が少なくて、カラッとしているので、その分日本より気持ち悪く感じないのかもしれません。日本は、湿気が多く、汗をかくので日本の方が暑く感じますね。
T: イランって砂漠の国やろ?やっぱり相当暑いやろ。
私: 砂漠のイメージが強いと思いますけど、街は見た目は日本と変わりませんよ。道路も舗装されていますし。暑さを避けるために街路樹も計画的に植えられ、育てられていますから影は日本より はるかに多いですし、涼しいですよ。暑い国の工夫でしょうね。
T: それやったら、家の中も涼しいんかいなあ。
私: 家の中は、もちろん、外よりは涼しいですけど、クーラーが必要です。
T: クーラーって日本と同じかいな?
私: いえ、違います。イランでは水クーラーと呼ばれるものが使われていま す。天井の近くに排気 口があって、 その上に藁(わら)の固まりがあり。まず、それを水でたっぷり湿らせ、 その後、風をそれに通して送る仕組みになっています。ひんやりして、気持ちがいいですよ。
T: へー。そしたら、冬の暖房は? あっ、イランは寒ないんか。
私: 冬は寒いので、使いますね。
T: 日本と同じの?
私: いえ、違います。ヨーロッパのものと同じです。
T: ヨーロッパのと同じって?
私: ラジエターと呼ばれているもので、管の中に熱い水を通して部屋を暖めるものです。
T: 水をよう利用してるんやなぁ。
私: そうですね。体には害が少ないでしょうね。

  食べ物の話へ・・・
T: ところで、イランで何食べてんの?
私: やっぱり、日本食中心ですよ。
T: え?日本食なんか食べれるの?
私: 日本と全く同じものを食べれるというわけではありませんが・・・。
T: 米はあるの?
私: 日本米はカスピ海周辺で作られているので、それを食べることができます。今年は、秋田小町を作っているそうなので、順調に育てばそれを食べられる予定です。
T: へー。他にはどんなもん食べてるの?
私: 野菜や果物はおいしいですよ。テヘランに住んでいる知り合いのイギリス人の人は、イランの果物は世界一おいしいって言ってるぐらいです。また、お肉や魚介類も食べられます。
  それらを使った日本の料理を食べていますが、日本のように何でもあるというわけではないので、いろいろ工夫して料理しているようです。醤油(しょうゆ)とかつおの味がするとホッとしますね。
T: イランは、何か食べられへん肉あったな?
私: 豚肉です。イスラム教は、豚肉厳禁ですから。スーパーやレストランに行っても絶対に売っていません。(お酒も)でも、鶏肉や牛肉は食べられ、たいへんおいしいですよ。


私: イランでは、牛肉は赤身の肉しかなくて、物足りない気がしますが、日本では高価なフィレ肉を安く食べられます。鶏肉や羊の肉は首と内蔵を取り除いたものを丸ごと売っていて買うときは気持ち悪いです。でも、味は文句無し。新鮮なんでしょうね。
T: じゃあ、食生活は問題なしやなぁ。 
私: いえいえ、海外に住んでいるので我慢してるだけです。魚介類はほとんど冷凍のものばかりですし、大好きな刺身やギョーザ、トンカツが食べれなくてつらいですよ。
それに変なくせもついてしまいましたし・・・。
T: 変なくせ?
私: 実はコーラを飲むくせがついてしまったんですよ。ビールがないせいか、イランの人達はよくコーラを飲むので、彼らと同じようにレストランなどで食事をしていたらコーラを飲む習慣がついてしまって・・・。ご飯を食べながら、コーラを飲んでいる自分っておかしいなと思うことがよくあります。

T: ところで、イランの人達は何食べてんの?
私: 主食は、ご飯とナンと呼ばれるクレープに似たパンです。その他にキャ バブ、スープ、シチューなどを食べているようです。
T: キャバブってどんなもの?
私: 焼いた物は全て「キャバブ」と言い具体的には、焼き肉、焼き魚のことです。一般的には、羊の肉、羊の肉のミンチ、鶏肉の3種類がよく食べられています。
   キャバブとご飯というのが、普段の彼らの昼食です。
T: 羊の肉ってよく食べるの?
私: 僕たちは普段キャバブ以外では食べませんが、イランの人達はよく食べているみたいですよ。以前、食堂で羊の全ての部分を料理されたものを見たことがあります。頭や、足がそのままの形であり、それらをおいしそうに食べていましたよ。
T: へー、食べてみたいなぁ。
私:・・・・。

衣服の話へ・・・
T: 中東の国では、女の人は何かかぶっているけど、イランは?
私: はい、ヘジャブをしています。
T: ヘジャブ?  
私: ヘジャブというのは「覆い隠す」という意味です。コートで体を、ルサリーと呼ばれるスカーフで髪の毛を隠しています。敬虔なイスラム教徒はチャドルという一枚の黒布で体全体を覆っています。
T: 暑い国で女の人はたいへんやなぁ。でも、日本人はそんなことせんでええんやろ?
私: いえいえ、イランは政教一致の国ですから、外国人も同じようにしなければいけません。レストランでルサリーをして食べるのが一番つらいらしいです。
T: 女の人はたいへんやなぁ。
私: 男の人もですよ。
T: 男もヘジャブするんかいな!?
私: そうじゃなくて、女の人ほどじゃありませんが、半袖、短パンというような格好では外に出れないんです。半袖、長ズボンが一般的な服装です。
T: イランの男の人達も同じような格好?
私: そうですね、同じような格好の人もいますけど、ぶかぶかの長袖、長ズボン姿の人が多いですね。
T: ぶかぶかの?
私: はい、風通りがよく、しかも直射日光に当たらないようにしているらしいです。
T: それも、生活の知恵やな。

その他・・・
T: 今、生徒はどれくらいおるん?
私: 26人です。
T: で、何教えてるん?
私: 中学校の英語と技術家庭、小学校の3、4年生の社会、全学年の体育です。
T: えらいたくさん教えてんねんなぁ。
私: そうなんです。去年に引き続き、学校で一番持ち時間が多いんです。  
T: まぁ、がんばってよ。
私: はい。       The End