ハメドゥスト テヘラン通信 第25号
サラーム。ハレショマフーベ。5月に入りました。今年は昨年と比べ、やはり雨が多く、朝夕よく雨が降っています。そのせいか、気温もさほど高くならず心地の良い日が続いています。しかし、日本で夏に見かけるスイカなどはもう店頭に並び、夏の気配を感じさせられます。昨日、甘いメロンをたらふく食べ、一足早くイランの夏を少しだけ楽しみました。
日本人学校も新学期を迎え、半月が過ぎました。新転入生もすっかり学校に慣れ、学校生活を楽しんでいます。今年の先生の担当は、中学部の担任で、中学英語、中学技術家庭科、小学3年生の社会、小学4年生の社会、全校の体育です。毎日、ハードな生活を送っていますが、こちらの中学生の「日本の中学生には負けない」という目標達成のため、精一杯頑張っています。
さて今回は、先日旅行に行ったハマダンの旅行とイラン国内旅行についてです。
◆ ハマダンとイラン国内旅行
先生が国内旅行をするのは現地理解が最終目的です。その土地の人たちとのふれあいや歴史的なことの勉強、遺跡などを実際に見てイラン理解を深めています。イラン国内はたいへん広く見所が離れているので、交通手段は飛行機とタクシーが主です。日本なら、その交通費が高額となりますが、ここでは手頃な値段で移動が出来ます。例えば、飛行機はたいてい往復で1500円程度、
タクシーなら2日間貸し切りで6000円ぐらいです。
今回、タクシーでテヘランから400qほど離れたハマダンという所へ行ってきました。ハマダンは紀元前8世紀にできた最初の統一国家メディナの首都でした。そこではペルシャ建国の王、クロシュ王が育ち、彼のアケメネス朝ペルシャ時代にはハマダンは夏の首都とされていました。
その後のパルティア帝国、ササン朝時代も前者と同じように扱われたそうです。夏は過ごしやすい穏やかな気候で春や秋は美しい花や紅葉が見られる美しい町です。今は、山一面に桜の花が満開でした。去年行ったイスファハンと同じくらい美しく、好きになった所でした。そこから80qほど離れたところに鍾乳洞(高さ8m、幅10m、長さ11q)があり、ボートで約1時間半見学しました。またしても、イランのスケールの大きさに驚かされた旅でした
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インフレに苦しめられる人々の生活
イランでは毎年、ノールーズ(新年)を境に物価が上がります。例えばガソリンの値段を挙げてみると、昨年の3月には50リアルだったのが100リアルの倍に値上がりし、今年は130リアルになりました。燃料の値段が上がるとそれと共に他のものまで値段が上がるのは言うまでもありません。人々の足となっているタクシー料金をはじめ野菜や果物の値段も 以前より高くなりました。 外国人の先生達にとっては、日本円で1円ー10円ほどの物価の値上がりで生活には大きな支障はありませんが、イランの人達にとっては、たいへんなことのようです。物価は上がっても、給料がそれに応じて上がるとは限らないからだそうです。 イランのインフレは年に40%とも50%とも言われています。(1年前の時と比べると物の値段が1、4倍や1、5倍になる状態。)このインフレに悩まされて生活しているのが大部分のイランの人たちの現状です。 |