ハメドゥスト    テヘラン通信   第24号 





  サラーム。ハレショマチェトレ。テヘラン日本人学校もようやく新学期が始まりました。(1996年4月15日から)今年は、全校児童生徒23名のスタートです。また、8名の先生の内4名が新しく来た先生です。2年目の先生はもうここでは古株で、学校のことやテヘランのことは何でも知っているかのように質問攻めにあう毎日を送っています。
知らないことやファルシー(ペルシャ語)で分からない言葉がまだまだたくさんあるので、勉強不足を嘆いています。今まで以上に努力が必要なようです。
  さて、今回は以前少し触れたイランの休日についてです。



◆ イラン祝祭日とシーア派の休日
 イランのカレンダーや英字新聞には、イラン暦、イスラム暦、西暦の3種類の日付が記されています。もちろん、イランの人たちは日常生活ではイラン暦を使用しています。また、イスラム暦もたいへん重要なものとなっていて、例えば、イスラムの国では、金曜日が休日となっています。
 休日や祝日は、イラン暦とイスラム暦のものがあり、イランの歴史的な出来事を記念する休日はイラン暦(太陽暦) で、宗教に関するものは、イスラム暦(イスラム教の予言者ムハンマドがメッカからメディナへ遷った時を元年とする太陰暦)で数えられています。少し日本とかわっているのは、週末の金曜日と祝日が重なっても、次の日が振替休日となるようなことがないことです。今年のイラン固有の祝祭日を西暦で挙げてみると 
  3月20日 ノールズ
  3月31日 イスラム共和国記念日
  4月 2日 スィーズダベルダ(ピクニック・デイ)
  6月 3日 ホメイニ師命日
      4日 旧王政に対する国民蜂起記念日
  2月10日 革命勝利記念日
  3月19日 石油国有化記念日     
となります。
 次にイスラム教シーア派の休日ですがイラン暦と違い、イスラム暦なので、西暦に直しても毎年決まった月日にならないのが特徴です。イスラム暦は太陰暦で西暦の1年より11日少ないため、イスラムの休日が1年の年末年始に2度あることも起こってきます。
 今年のシーア派の休日を西暦で挙げてみると以下のようになります。
  4月29日 犠牲祭
  5月 7日 予言者後継者使命日
  5月28日 3代イマーム殉教日
  7月 7日 3代イマーム殉教40日目
  7月15日 ムハンマド命日
  8月 3日 ムハンマド生誕日
 11月25日 初代イマーム生誕日
 12月 9日 予言者召命日
  1月31日 初代イマーム殉教日
  2月 9日 断食明け祭り
  3月 5日 5代イマーム殉教日

                        イスラエルとイラン
 4月初旬から始まったイスラエルのレバノン南部への攻撃に対し、新聞では連日、イスラエル、アメリカ批判が続いています。また、テヘラン市内では親イスラエル、アメリカの国々の大使館前でデモが行われています
 では、なぜこのようなことが起こるのでしょう。
 それは、宗教の違いが全てなようです。詳しい歴史的な説明は省きますが、イスラエルがキリスト教、イランがイスラム教で、アラブの国々はイスラム教なので、イランはレバノンに肩入れしているのです。(実際はレバノンではキリスト教など他の宗教が認められている。)また、以前イスラエルがレバノンに侵攻した時に、イラン革命防衛隊の指導の下イスラム・シーア派民兵組織「ヒズボラ」をレバノンで結成したのですが、そのヒズボラに対する攻撃だからです。中東和平の交渉の進展とは裏腹に、レバノン南部ではイスラエル軍とこのヒズボラとの戦闘が日常的に行われているのですが、今回の攻撃はイスラエルのヒズボラ抑え込みと5月末予定の首相公選、国会総選挙での与党の有利な状況作りが目的なようです。世界中で行われている戦争を平和な日本にいる君たちはどのようにみているのでしょう。