ハメドゥスト    テヘラン通信   第18号 






 先日、テヘランから50qほど離れたアバリという所へスキー学習の下見で行ってきました。テヘランは12月の中旬以来積雪がないのですが、そこには雪がたくさんありました。また、スキー客も大勢いました。設備は日本と比べるとかなり古く、棒に捕まって上まで登って行く程度のリフトしかありませんでした。ここでも、男性と女性は一緒に滑ることはなく、ゲレンデが仕切られていました。

 ★ 国立宝石博物館
 この宝石博物館は世界でも最大級のもので、イラン中央銀行の地下に展示されています。高価な物ばかりなので、警備は厳重に行われ、週2回、3時間しか公開されていません。 この博物館の宝石は、歴代の王のコレクションであり、ため息のでるようなものばかりでした。ダイヤモンド、エメラルド、ルビー、トルコ石などをふんだんに使い王冠、ステッキ、時計、椅子、ベッドに至るまで様々なものが作られていました。いくつか代表的なものを紹介しましょう。

 ▼ダリア・イ・ヌル
「海の光」と呼ばれる世界一大きいピンクダイヤモンド。182カラット。25oの幅、38oの長さ、厚さ10o。1739年にナデル・シャーがインドを征服した時の戦利品。「山の光」と呼ばれる対になるダイヤモンドもあったが、イギリスのエリザベス女王にプレゼントされた。

▼宝石の地球儀
 高さ1mほどの大きな地球儀に51366個の宝石を散りばめたもの。枠のスタンド部分は純金で作られ、 全ての宝石を合わせると18200カラット。

 ▼キアニ・クラウン
 カジャール王(1797ー1834)が戴冠式のために作った王冠。4、5sの重さのある真珠や他の宝石が埋め込まれた王冠。

 先生が一番ほしいと思ったのは、1m20pほどの、ダイヤモンドが散りばめられて作られていた剣のさやでした。眩しいばかりの宝石を見れ、リッチな気分になりました。


★ アザディ・タワー
 イランの玄関口、メヘラバード空港の側にあるモニュメント。1971年、イラン建国2500年を記念して造られた。革命前は、「シャヒヤッド」という名前(「シャー(王)を思い出せ」という意味)でしたが、革命後は「アザディー」に変わった(意味は「自由」)。夜7時のニュースのスタートは、革命時にここに集まって革命の成功を喜ぶ群衆のシーンから始まる。


                    
            郵便局にもあった荷物チェック!

 昨年末、日本に荷物を送ることがあり郵便局に行きました。たいしたことではないと思っていたのですが、イランから荷物を送ることはとてもたいへんなことだと分かりました。簡単に手順を説明したいと思います。
 まず、送る物、送り先を用紙に記入して申告します。そして、その荷物の重さに合う郵便局で指定されている特別な箱を買います。自分で準備した箱を使うことはできません。次に、荷物をその箱に入れ、あて先を記入します。でも、封をすることはでません。ただ、箱に入れるだけです。その後、その荷物を入れた箱を郵便局員に渡します。その人は、申告書と内容物が合っているか一つ一つ荷物を取り出してチェックします。中身が見えなければ紙袋でもビニール袋でも破いてチェックします。外貨や高価な物を国外に出させないのと危険物のチェックが目的だそうです。それが終わった後で、別の人ががようやく封をして、料金を払います。
 客は列に割り込んだり、郵便局員もチャイ(お茶)を飲みながら、おしゃべりをして仕事をし、その上厳しいチェックをするので荷物を送るのに一時間半もかかってしまいました。日本なら数分で終わる作業なのですが ・・・・。これも信じられないような本当の話の1つです。