ハメドゥスト テヘラン通信 第14号
10月の中旬に妻子がイランにやってきました。もう3週間が経つのですが、妻はやはり、こちらの生活に戸惑っています。スカーフ、コートを身につけることなどの基本的な生活には予備知識はあったのですが、それ以外のことでカルチャーショックを感じているようです。こちらに来て一番印象的だったことは「ドアが大きくて頑丈なこと」だそうです。たいていの家では、2回以上ドアの鍵を開けないと家の中には入れないようになっています。テへランは治安はいい方なのですが、やはり、人々は安全面には気をつけています。
車には安全装置を付けていて、ちょっと何かが触れただけで大きな音が鳴ります。誤作動も多くアラームがうるさく鳴り響いていることがよくあります。
◆イランの学校
イランには義務教育制度はありませんが、希望すれば就学することができます。小学校5年、中学校3年、高等学校4年、大学4年の制度で、9月22日までに満6才になっていれば小学校に入学できます。授業料、入学金は無料ですが、親の収入によって寄付があります。
新学期は9月23日から始まります。2学期制で9/23〜3/21、3/25〜6/25に分かれています。イランの教育制度は全国同じで、南部では夏は暑くなりすぎるため3ヶ月も夏休みがあるようです。
小学・中学・高等学校では男女別学で大学では男女共学になっています。ただし、大学でも教室では前は男子用、後ろは女子用の席というように決められています。
イランは学歴社会で受験競争が激しく小学校から進級テストがあります。成績が悪ければ、小1から落第があり、小学5年間で2回落第し、中退する児童が30%以上もいるそうです。(ちなみに中学就学率は約50%)高等学校は大学の準備段階で、入学時に4つの専門分野に分けられます。大学は2回実施される国家統一テストに合格した者だけが入学でき、成績順に希望大学・学部が決められます。
先日知り合いのイラン人が、子供の顔がたくさん印刷された冊子を持ってきて見せてくれました。その中には、その人の小学2年生の娘さんの写真もあったのですが、何か聞いてみると、職場の従業員の子供の成績優秀者の発表ということでした。複雑な気持ちでその冊子を見たのですが、そのようなことはイランでは当たり前のようにあるそうです。
学校数は少なく、そのため2部制、3部制になっているところがあります。1学年で2回連続して落第すると夜間の部へ行かされるそうです。
厳しい受験競争、学校数の不足、進学ではイスラム色の強い家庭を優先されていることなど多くの問題があります。
イランの教育制度をみると、ごく少数のエリートを育てることが目標のように思われます。
空港チェックは厳し〜い テヘランにはメヘラバード空港という国内線と国際線を扱っている空港があり、海外への出入りはそこで行われています。国際線の離発着が深夜から早朝にかけてしかないことや、出入国審査が異常に長いという不思議なことがそこではあるのですが、一番驚いたことは荷物検査の厳しいことでした。出国時も入国時も、荷物に何が入っているかをカードに記入し、一人ひとりのスーツケースや鞄などを開け、検査されます。お土産などが紙袋に入っていればそれを破られチェックを受けます。また、豚肉、種類などの違反物は厳禁ですので、もし見つかれば裁判にかけられることもあります。一人ひとりチェックされ、中身を詰め直すこともあるので、入国にも出国にも3時間くらい時間がかかります。セキュリティーチェックの意味もあるのですが、絨毯などの持ち出しの規制やイスラムの理念にそぐわない物の持ち込みの検査が一番の目的のようです。 |