ハメドゥスト テヘラン通信 第13号
◆イスラム教 4
(6)シーア派とスンニー派
イスラム教と言えばスンニー派を指すと以前に言いましたが、それはスンニー派が世界で最も多いためです。しかし、イランではシーア派を国教とし、スンニー派の思想には不足があるとし受け入れられていません。また、違いも多く、お祈りの方法一つをとっても異なります。
同じイスラム教でも、違いが生じたのは予言者ムハンマド無き後の後継者選びが原因となっています。ムハンマドの死後、その後継者は選挙制で決定してきたのですが、ある時(680年頃)から世襲制(子が代々受け継ぐ制度)に変わりました。そこで、世襲制になるとそれに対し別の世襲の仕方、つまり、ムハンマドの血統を引く者が正当な後継者であるというグループが出てきました。これがシーア派です。
後継者の呼び方はシーア派ではイマーム、スンニー派ではカリフと言われています。シーア派の「シーア」とは「党、派」を表す言葉で、元々は「シーア・アリー」、つまり「アりー派」と呼ばれていました。ですから、シーア派とはアリーとその子孫が予言者の正当な後継者、イマームと認め信じるグループのことです。
アリーはイラン国民の英雄で、ポスターなどが各家庭やお店などで見られます。アリーは、ムハンマドの義理のいとこに当たり、妻がムハンマドの娘でした。彼は、661年に暗殺され、その年がシーア派の誕生とされています。また、彼の息子ホセイン(妻はササン朝最後の王ヤズドギルド三世の娘)もカルバリで、スンニー派の軍隊に殺され
、その日は今日でも「カルバリの悲劇」として人々が悲しむ日となっています。同じ苦しみを追体験するために鎖で自分の体を叩きながら行列で行進すると、No6で言った
通りです。
イランはシーア派でも12代イマーム派で891年に突如いなくなった12代目が再び再臨し、世直しをすると期待されており、人々はその日を信じ待っています。
ムハンムドの血統とササン朝の血統が結びついた者を指導者とし、メシア(救世主)を待つ、これがイスラム教シーア派の基本的な思想となっています。
英語をしっかり勉強しておこう 「英語は世界の共通語。世界中の人と話して、違う文化や考え方、生活を理解するために勉強しましょう。」 学年の始まりには必ずこう言ってきましたが、こちらで生活していると本当にその通りだと改めて思います。ファルシーができない先生と日本語ができないイランの人と話をする時や日本人以外の人とコミュニケーションをとる時は、必ず英語で話すことになります。大家さんと契約を結んだり、修理を頼んだりする時や買い物をする時は英語を使わなければなりません。自分が英語の先生でよかったと思うことはしばしばあります。 日本人学校の先生方でも、あまり英語が得意でない先生方は「もっと英語ができたらなぁ」と嘆いている先生もいます。また、英語が得意でないために苦い経験をした人の話も聞いたことがあります。 日常の会話なら中学校で習う英単語で十分です。勉強した単語や表現は友達同士でも、使うようにして練習すればいいでしょう。また、AETの先生に積極的に話しかけ自分の発音が通じるかどうか試してみましょう。恥ずかしがらずに英語を使おうとする事が、君たちにとっては、英語をマスターするための弟一歩でしょう。間違いを恐れず練習しましょう。 |