ハメドゥスト    テヘラン通信   第33号 






サラーム。ハレショマチェトレ。
 先日(10月16日)、テヘランに大雨が降りました。明け方から午前中にかけてと夕方に降ったのですが、とても激しいものでした。(夕方はひょうが降りました。)次の日の朝は冷え込み、今年の冬の寒さは厳しくなると予感しました。テヘランは春、秋が短いのですが、ひょっとするとその大雨がテヘランの秋の終わりを告げるものとなるかもしれません。
 日本人学校では、11月のイスファハンの体験学習旅行の準備に本格的に取りかかり始めました。(イスファハンについては10号参照)体験旅行ということでイランの伝統工芸である更紗(さらさ)作りと彫金(ちょうきん)細工作りをすることが目玉となっています。先生が担当なので、今週、2度目の下見でイスファハンへ行き、一足早く、更紗作り、彫金細工作りをしてきました。作業を見るとやるとでは大違いで、その作業の難しさにため息をついたほどです。小学3年生以上で行くのですが、少し心配しています。         
 2連覇を目指したソフトボール大会は、準優勝戦で優勝した丸紅チームに負け3位に終わりました。くやしーい!           
 さて、今回は体験学習で行う彫金についてです。

(4)彫金(ちょうきん)
 彫金とは、金属のものに絵や模様を彫ることを言います。イランでは、紀元前6000年より金属の使用が始まり、紀元前2000年ごろに作られた銅器にすでに芸術的に価値の高い物が発見されています。現在の彫金はイスファハンが栄え、首都となったサファビー朝時代から受け継がれたもので日用品から高級芸術品まで様々な物があります。具体的には、皿の飾り物、時計、剣、鎧、盾などです。
 体験学習では、直径15pのお皿に自分の考えた絵や模様、字を彫ることにしています。作り方ですが、以下のようにします。
@銅板にしんちゅうでメッキしたお皿に5pほどのコールタールの土台をつけます。釘のような道具と金づちを使って彫るので、皿がへっこみ過ぎないようにするためです。
A皿に下絵を描きます。
Bその下絵を彫っていきます。線や模様を浮かせたりすることが難しいです。
Cコールタールの土台を取ります。バーナーを使ってきれいにコールタールを取ります。
D皿の表面に特殊なインキをぬって線や模様を目立たせます。
 彫る作業を中心に行うのですが、線の上に道具を当て、たたいていくとすべったりきちんと線の上を彫れなかったりするのでそのへんの工夫が必要となってきます。
 職人さんは下絵も描かずに彫っていくのですが、仕上がりはどれもとてもすばらしいものになっています。長年培われた勘に驚かされました。